[0614] 派遣契約

平成15年度春期 基本情報技術者試験より
システム開発における派遣契約に関する記述のうち,適切なものはどれか。
A社から派遣された開発要員からの苦情が軽微なものであったので,A社に通知せず処理した。
B社から派遣された開発要員が,業務に精通していたので,プロジェクト完了まで1年を超えて使用した。
C社から開発要員を派遣してもらい,委託側社内を開発場所とし,開発効率を上げるため,C社の代表者に指揮,命令を任せた。
人手不足に対応するため,取引のないD社の社員をいったん E社に派遣してもらった上で,その人をE社との派遣契約で受け入れた。

正解

解説

 雇用労働者の形態は,正社員,パート・アルバイト,派遣社員,契約社員,嘱託などに分類されますが,派遣労働とは,派遣元企業と雇用関係にある労働者が,別の会社に派遣され,派遣先企業の指令系統の下で働くことをいいます。

 派遣労働に関する決まりごとは,労働者派遣法(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」)に定められています。

 いっぽう,派遣と似た労働形態に請負労働と呼ばれるものがありますが,こちらは,請負依頼企業と請負労働者の間に指令系統が発生しないという違いがあります。



 近年,実質的には派遣労働なのに請負として契約を行う偽装請負や,労働者を派遣先からさらに別の企業へ二重三重に派遣する多重派遣がしばしば問題になっています。

 偽装請負を行う背景には,派遣労働者を使う企業は,派遣期限終了後も引き続き同じ労働者を使用する場合,正社員としての雇用申し入れを行う義務があったり,労働者に対して安全衛生法上の義務を果たす義務があるのに対し,請負契約の場合これらが必要ないという事情があります。

 また,請負契約であれば,二重三重に下請けを利用することもでき,多重派遣の禁止を逃れる目的でも偽装請負が行われます。
それでは選択肢をみていきましょう。

 A社から派遣された開発要員からの苦情が軽微なものであったので,A社に通知せず処理した。
派遣先はA社へ苦情内容や処理を通知し,A社も派遣先も,それらを管理台帳に記載し保管しなければなりません。

 B社から派遣された開発要員が,業務に精通していたので,プロジェクト完了まで1年を超えて使用した。
平成16年の制度改正で,ソフトウエア開発関係など26職種の派遣可能期間の制限はなくなり(従来は3年までの制限),それ以外の職種は上限3年となりました。

 C社から開発要員を派遣してもらい,委託側社内を開発場所とし,開発効率を上げるため,C社の代表者に指揮,命令を任せた。
派遣における指揮・命令権は派遣先にあります。

 人手不足に対応するため,取引のないD社の社員をいったん E社に派遣してもらった上で,その人をE社との派遣契約で受け入れた。
者派遣法で禁止されている二重派遣となります。


以上より,正解は,「イ」となります。
※ 解説の内容は執筆時点のものであり,含まれている情報の正確性,妥当性について保証するものではありません。ご注意ください・・・

関連する(かもしれない)問題