[0517] 電子メールの機密性

平成14年度春期 基本情報処理技術者試験より
インターネットにおける電子メールの機密性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
電子メールの機密性を確保するためには,暗号化などの対策を講じる必要がある。
電子メールの機密性を確保するためには,送信者が接続するプロバイダに受信者IDの登録を依頼する必要がある。
電子メールを発信する場合,相手先アドレスによって相手先と1対1の経路が確立されるので,機密性は確保される。
ワープロソフトなどで作成した文書ファイルは,コンピュータの内部コードに変換されているので,通信経路の途中でその内容が読まれるおそれはない。

正解

解説

 自分のメールアドレス宛に届いた電子メールは,メールサーバ上に蓄積されているので,常時メールソフトを立ち上げていなくても任意のタイミングで電子メールを取り込むことが可能です。この点は,WWW のように,ブラウザ,Webサーバの双方が稼動していなければ通信できないシステムとは大きく異なります。

 これは,メールが下図のような仕組みで配送されているためです。受信者のパソコンへは直接メールを送信しない点に注意してください。



 メールを送信する側は,パソコンのメールソフト(MUA;Mail User Agent ともいう)を使って,契約しているプロバイダや自組織で管理しているメールサーバ(MTA;Transfer Agent)へメールを送信します。このときに利用されるプロトコルは SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)です。

 メール受け取ったメールサーバでは,送信先のメールアドレスを管理しているメールサーバへ向けてさらにメールを転送します。「バケルリレー」方式で,他のメールサーバへ中継を依頼する場合もあります。

 最終的にメールを受け取ったメールサーバでは,あらかじめ用意しているメールアカウント別のメールボックスにメールを蓄積していきます。受信者は POP(Post Office Protocol)を使い,任意のタイミングで自分のメールボックスから電子メールを取り込みます。

 電子メールは上記の仕組みで配送されており,多くのコンピュータを経由しているのがわかります。したがって,電子メールそのものの機密性は決して高くはありません。第三者に内容を漏えいさせないためには,暗号化などの技術を別途利用する必要があります。

 電子メールを暗号化するための仕組みとしては,PGPS/MIME などがあります。どちらも公開かぎ暗号化方式を用いていますが,公開かぎの運用方法が異なります。

 それでは選択肢をみていきましょう。


 電子メールの機密性を確保するためには,暗号化などの対策を講じる必要がある。
正しい記述です。

 電子メールの機密性を確保するためには,送信者が接続するプロバイダに受信者IDの登録を依頼する必要がある。
このような処置は必要ありません。

 電子メールを発信する場合,相手先アドレスによって相手先と1対1の経路が確立されるので,機密性は確保される。
メールサーバなど,多数のコンピュータを経由して相手先コンピュータへ配送されます。

 ワープロソフトなどで作成した文書ファイルは,コンピュータの内部コードに変換されているので,通信経路の途中でその内容が読まれるおそれはない。
通信経路上のコンピュータで電子メールの内容を保管し,そのファイルをワープロソフトで開いてしまえば,内容を読むことがで

 以上より,アが正解となります。
※ 解説の内容は執筆時点のものであり,含まれている情報の正確性,妥当性について保証するものではありません。ご注意ください・・・

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