[0412] マネジメントサイエンス

平成13年度春期 基本情報処理技術者試験より
マネジメントサイエンスの各種手法の適用に関する記述のうち,適切なものはどれか。
機械の信頼性分析を行うために,PERT手法を適用した。
財務諸表を用いて経営分析を行うために,待ち行列モデルを適用した。
市場における製品の売上を予測するために,時系列分析を用いた。
製品の品質管理のために,シンプレックス法を用いた。

正解

解説

 マネジメントサイエンスとは,経営上の意思決定を行なうために数学的なアプローチをとる問題解決手法です。

 まずは,選択肢のPERT待ち行列モデル時系列分析について説明します。シンプレックス法は,線形計画法における代表的な解法で,ここでは,線形計画法について説明します。

■ PERT

 PERT(Program Evaluation and Review Technique)は,プロジェクトなどの作業計画,日程計画管理手法です。PERT図では,作業を矢印,作業を開始する状態,完了した状態を,○印で表します。矢印にはその作業に掛かる日数が付記されます。

 PERT図における管理上のポイントは,クリティカルパスです。critical は「危険な」といった意味であり,クリティカルパス上の作業に遅延が発生すれば,全作業の完了日数に影響がでます。逆に,クリティカルパス上の作業を早く終わらせれば,全作業の完了日数を短縮することも可能になります。したがって,クリティカルパスは作業進行を管理する上で,最も重要視すべき経路であるといえます。


■ 待ち行列

 待ち行列とは「サービスを受けるために順番を待つ行列」を表す数学モデルです。スーパーのレジを例に挙げて説明します。

 私たちがスーパーで買い物をするときは必ずレジで精算をします。客が少ない時間帯であれば,それほどレジで待たずに精算することができますが,混雑した時間帯であれば,若干の辛抱を強いられるでしょう。客の混雑具合だけではなく,稼動しているレジの台数によっても,精算待ちの行列の状態が変わってきます。客がレジへ到着する間隔,レジの台数,精算にかかる時間,といったパラメータから,行列の状態を数式で表現したモデルを,待ち行列と呼びます。


■ 時系列分析

 時間が経過するとともに変化していくデータを時系列データといいます。時系列データを集計してその特徴を明らかにする分析手法を時系列分析といいます。時系列データから捉えられた特徴から,将来どのようにデータが変動するかを予想する場合に利用されます。


■ 線形計画法

 複数の等号式または不等号式で表される線形式の制約条件の下,目的関数を最適化するための手法です。線形計画(Linear Programing)問題,略して LP問題と呼ばれることもあります。


 それでは選択肢をみていきましょう。

 機械の信頼性分析を行うために,PERT手法を適用した。
PERTは日程や工程の管理に使用する手法です。

 財務諸表を用いて経営分析を行うために,待ち行列モデルを適用した。
待ち行列モデルは,待ち行列の状態をシミュレートする場合に使用する手法です。

 市場における製品の売上を予測するために,時系列分析を用いた。
正しい記述です。

 製品の品質管理のために,シンプレックス法を用いた。
シンプレックス法は,線形計画法の解法のひとつです。線形計画法は,ある制約条件の下で目的関数を最適化するための手法です。


 以上より,ウが正解となります。
※ 解説の内容は執筆時点のものであり,含まれている情報の正確性,妥当性について保証するものではありません。ご注意ください・・・

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